手押しポンプをギッコ、ギッコと動かすと、
水口から勢いよく水が吹き出す。
晴天の大晦日、墓参りを終えこの井戸水で手と顔を洗う。
井戸水はやはり身が引き締まる冷たさだ。
だが、お盆の時はこの水の冷たさが心底心地よい。
同じ水なのに。
タオルで顔を拭き視線を空に向ける。
どこまでも高い青空に柘榴の赤い実がよく映える。
実が割れることから、柘榴は不吉だと言われる。
一方、たくさんの実を宿すこの柘榴を、
子孫繁栄に例え、めでたいと言ったりする。
不吉と言ったり、めでたいと言ったり。
冷たいと疎んだり、冷た~いと喜んだり。
人間とは勝手な生き物である。



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