乾いたスポンジ

独りぼっちのスポンジは 乾いて乾いて乾ききり 人差し指で押されても 反発どころかへこまない 独りぼっちのスポンジが 突然水をかけられる スポンジだって意地はある 最初のうちは弾いちゃう だけどすぐさまなしくずし 独りぼっちのスポンジが 水を...

唄を忘れたカナリアと声をなくした僕

月灯りの海を象牙の舟で漕ぎだせば 忘れた歌を思い出すよと、カナリアは言う 恋人よ、僕のあの歌声はどこに消えたのでしょう ほら、象牙の舟を漕ぎながら歌っていたあの歌声ですよ 歌声を失った時はそりゃあ悔しかったですよ そして僕はとても悲しくなっ...
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鈍行列車は駅があれば必ず停まる

例えば人生を列車の旅にたとえるなら 目的地までの中間地点を通り過ぎた今 鈍行列車に乗り換えるのもいいと思う 窓からの景色を楽しみ 駅で止まればホームに降り立ち 笛が鳴れば座席に戻り 好きな本を読みながらお茶を飲む 年々速く感じる時間の流れも...

縦の糸と横の糸で織りあげた布に 人を暖める力があるのなら 規則正しく編んだ竹には 離れてしまった心と身体を 一つに繋ぐ力があるのかもしれない